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破産と債権回収〜ゴルフスタジアムの破産手続開始決定

破産と債権回収〜ゴルフスタジアムの破産手続開始決定

ゴルフスタジアムの破産手続開始決定からみる破産手続と債権回収

1 ゴルフスタジアムの破産のニュース

破産と債権回収〜ゴルフスタジアムの破産手続開始決定 ゴルフスイングの解析システム等のゴルフ関連のシステムを提供していた株式会社ゴルフスタジアムが、平成29年7月21日、東京地方裁判所の破産手続開始決定を受けたとのニュースがありました。

ゴルフスタジアムについては、少し前に、広告料の未払いの問題で、被害者の会の結成、詐欺罪で告訴された等のニュースになっていましたので、それでご存知の方も多いかもしれません。

2 ゴルフスタジアムの破産は少し特殊?

 さて、今回のゴルフスタジアムの破産手続開始決定に関しては、少し特殊な破産に該当するのではないかなと思います。どういうことかというと、みなさんも「自己」破産という言葉をよく聞かれると思いますが、ゴルフスタジアムの場合は、「自己」破産ではないのです。

 「自己」破産いうのは、文字どおり、破産をする人自らが、もう返済をするのはとても無理だ、と申し立てる破産手続をいいますが、ゴルフスタジアムの場合は、破産をする人にお金を請求する人(「債権者」)が東京地方裁判所に対して、ゴルフスタジアムについての破産を申し立てたのです。

 昨今では、自己破産申立ての増加傾向が著しいこともあり、破産といえば「自己」破産を指すのが一般的になっているのではないかと思いますが、破産法においては、上記の例のような債権者も破産を申し立てることができるのです(破産法18条1項)。このように、債権者が破産の申し立てを行うことを「債権者申立て」といいます。

 しかし、この手続きはあまり利用されていません。
 なぜなら、①債権者が破産を申し立てたとしても、破産の手続においてはすべての債権者に対する公平な配当が行われることになりますので、「自分が申し立てたのだから自分は多く配当を貰えるはずだ」と主張しても認められませんし、②破産の申し立てをする際の弁護士費用や裁判所に納めるお金が高額な場合が多く、金銭的負担が大きい(原則として申し立てをする債権者が負担しなければならないのです)、③債権者の立場で債務者の内部的な事情を説明することが難しい(お金を貸している人にはお金を借りている人の懐事情は見えにくい)、などの理由があります。

3 債権者申立てにはなんのメリットもない?

債権者申立てにはなんのメリットもない? これだけ聞くと、債権者が破産を申し立てることになんのメリットもないように感じられるかもしれません。しかし、破産手続きが始まれば、破産管財人という中立の第三者が破産する会社の財産を管理する人が選任されます。
 破産管財人は、破産する会社の財産状況を調査する権限がありますので、たとえば破産者が財産を隠していたような場合や特定の債権者にだけ返済をしていたような場合に、破産管財人がそのお金を取り戻して、皆さんに分配するお金が増えるといったようなメリットがあります。

4 今回のケースで債権者が破産を申請した理由

 今回のゴルフスタジアムのケースで債権者申し立てに至ったのは、被害者の会が結成されている、集団での提訴を行っているなどの特殊な事情があったからではないかと思います。
 債権者申立ても、債権回収としての意義はあるにはありますが、債権回収にあたっては他の方法も含めて検討をするのがよいと思いますので、債権回収をお考えであればぜひ弁護士にご相談ください。