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個人再生を考えていたのですが、給与が差し押さえられてしまいました。

個人再生を考えていたのですが、給与が差し押さえられてしまいました。

Q.私は大阪市淀川区に住んでいます。現在、住宅ローンの残り2500万円のほか、自動車のローンが120万円、消費者金融5社から合計600万円ほどの借金があります。正直、返済は厳しく、個人再生を考えていたのですが、返済ができていない状態が続いていたため、給料が差し押さえられてしまいました。どうすればよいでしょうか。

A.個人再生の申立てにより、給与の差押えを中止することができます。申立てを急ぎましょう。

(1)個人再生手続と強制執行手続の中止

 個人再生手続においては、原則として、すべての債権者は平等に扱われることとされており(これを、「債権者平等の原則」といいます)、各債権者は、個人再生の手続上、有する債権の額に応じて、按分での弁済を受けることになります。

 つまり、個人再生手続においては、自分だけ優先的に債権を回収しようとする行為,つまり借金の取立て行為が制限されているのです(ただし、法律が特別に認めている場合や担保権をつけている場合等は、例外として優先的な回収ができます)。

 そのため、個人再生の申立てがされた場合には、債権者の債権回収手続である、給与の差押え等の強制執行手続は中止されることになります。このような強制執行の中止には、以下の2つパターンがあります。

(2)裁判所による強制執行の中止命令

給与の差し押さえ 1つめは、裁判所が強制執行の中止命令を発した場合です。これは、個人再生手続の申立てとともに、裁判所に強制執行の中止命令申立てを行い、中止命令が出された場合です。

 中止命令は、裁判所が強制執行を中止する必要があると認める場合に出されることになります(民事再生法26条)。中止命令が出された場合には、中止命令の正本を執行裁判所(差押え等の決定を出した裁判所をいい、個人再生手続の決定等をするところとは別の部署です)に提出し、差押え等の手続を停止することになります。

 個人再生手続の申立てを行ってから、裁判所が個人再生手続の開始決定を出すまでには、おおむね2週間から1か月程度の時間がかかりますので、中止命令の申立を行えばこの間の強制執行を止めることができます。

(3)個人再生手続の開始決定に伴う強制執行の中止

 2つめは、個人再生手続の開始決定に伴う強制執行の中止です。裁判所が個人再生手続の開始決定を出すと、強制執行は中止になります(ただし、この場合も、執行裁判所に強制執行の停止を求める必要があります)。

 中止命令は、裁判所が必要と認めた場合に出されますが、個人再生手続の開始決定が出されると、その効果として、強制執行の手続は当然に中止になるのです。

(4)給与の差押えが中止されても給与は全額受け取れない?

 注意が必要なのは、給与の差押えが中止されても、給与を全額受けとることができるわけではない、という点です。中止により、差押えをした債権者に支払われることはなくなりますが、差押え分は会社にプールされ、再生手続が終了したら、たまっていた分がまとめてあなたに支払われることになるのです。

 もっとも、個人再生手続を申し立てたり、開始決定が出されたりすれば、債権者が差押えを取り下げてくれることも多く、その場合は、全額を受け取ることが可能です。

 給与の差押え等がされてしまっている場合には、早めに個人再生を申立ててしまうことが大事なので、個人再生を検討されている場合は、早めに弁護士にご相談ください。