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自己破産をした場合には、取締役を退任しなければならないのでしょうか。
自己破産をした場合には、取締役を退任しなければならないのでしょうか。
Q. 私は大阪市内のとある会社の取締役に就任しているのですが、自己破産をすると、取締役を辞めなければいけないのでしょうか?
A. 一度は取締役をやめなければなりません。
(1)会社法に基づく取締役の資格制限はなくなりました。
昔の会社法(商法)では、取締役が自己破産した場合、破産手続が完了するまでの間、資格が制限される旨の規定が存在し、取締役には就任できませんでした。
しかし、平成18年に施行された現在の会社法においては、取締役の欠格事由から、破産者は除外されましたので、自己破産した場合であっても、新たに会社の取締役に就任することについては、法律上の制限がなくなり、自由に取締役の地位に就くことができるようになりました。
(2)現在、取締役であれば、いったんは取締役の地位を失います。
上記(1)で述べたことと矛盾するようですが、現在、取締役の方が破産した場合には、いったんは、取締役の任を解かれることになります。
なぜかといいますと、会社と取締役の関係は、「委任契約」という契約関係に基づくものなのですが、この委任契約は、受任者(つまり会社の取締役です)が破産した場合には、委任契約は終了してしまうという規定が民法に存在するからなのです。
つまり、取締役について破産手続が開始することにより、その取締役と会社との委任契約が終了することになるので、破産した取締役はその地位を失うことになるのです。
(3)いったん取締役としての地位を失った人が再び取締役になる方法
上記(2)で述べたとおり、破産手続が開始することで、いったんは、取締役の地位が失われることになりますが、もう一度、取締役になりたい場合には、通常の取締役の選任手続と同様に、株主総会を招集して、新たに取締役の選任決議をすればよいのです。
(1)で述べたとおり、自己破産しているということは、取締役の欠格事由には該当しません。
そして、(2)で述べたように、受任者が破産をすると委任契約が終了することにはなりますが、民法上の制限は、あくまでも受任者の破産により委任契約が終了するということにとどまり、破産した方が委任契約を締結すること自体にはなんらの制限もありません。
したがって、取締役になりたい場合には、株主総会を招集して、取締役の選任決議をし、会社との間で委任契約を再度締結するという方法でなにも問題はないのです。
その他詳細については、是非、弁護士にご相談ください。