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自己破産をした場合、引っ越しできなくなったり、旅行に行けなくなったりするのでしょうか。
自己破産をした場合、引っ越しできなくなったり、旅行に行けなくなったりするのでしょうか。
Q.私は大阪市内で引っ越しを考えているのですが、自己破産をした場合、自由に引っ越しができないと聞きました。また、パスポートを取得することができなくなったり、旅行に行くことができなくなったりするとも聞いたのですが、それは本当なのでしょうか。
A. 破産手続中は引っ越しや旅行について、一定の制限があります。
(1)引越しの場合
自己破産をした場合でも引っ越しをすること自体は可能です。
しかし、破産法では、「破産者は、申立てにより裁判所の許可を得なければ居住地を離れることができない」と定められており、引っ越しをする場合には、裁判所の許可を受ける必要があるということになります。
したがって、自己破産をすることによって、引っ越しに一定の制限があるということは事実です。
もっとも、家賃を抑える、家族が増えて手狭になったなどの理由があり、必要に迫られて引っ越しをするというのが一般的でしょうから、裁判所の運用としても、基本的に引っ越しの許可を行う運用になっています。また、このような引っ越しの制限がなされるのは、破産管財人が選任されている破産事件で、かつ、破産手続期間中に限られます。
そのため、破産管財人が付かない同時廃止型の破産手続の場合や、破産手続きがすべて終了して、免責許可の決定(借金をチャラにする裁判所の決定)が確定した後には引っ越しに制限はありません。
したがって、あなたが大阪市内で引っ越しをすることは基本的には問題ないといえるでしょう。
(2)なぜ引っ越しが制限されるのか
このように、引っ越しに制限が加えられているのは、破産者の住所が裁判所や破産管財人の知らないうちに変更になってしまっていれば、破産者の財産換価等の破産管財人の職務が煩雑になり、停滞してしまうといったことになりますが、そういった破産手続の停滞等が起こるといった事態を防ぐためです。
(3)旅行の場合
引っ越しの場合と同じ理由から、破産管財人が選任されている破産事件で、かつ、破産手続期間中には、自由に旅行することは制限されています。
しかし、この場合でもパスポートの申請や取得ができなくなるということは一切ありません。パスポートの申請や取得だけでは、「居住地を離れる」ということにはならないからです。
裁判所の許可を受ければ旅行をすることが可能であるということも、引っ越しの場合と同様です。
もっとも、旅行に関しては、たとえ1泊の場合でも裁判所の許可を受けなければならないとするのでは、制限として厳しすぎるという考慮から、多くの裁判所では、2泊以上の旅行の場合には裁判所の許可を受ける必要があるとの運用にしているようです。