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自己破産した場合,預金口座はどうなるのでしょうか。
自己破産した場合,預金口座はどうなるのでしょうか。
Q. 私は、豊中市の銀行に預金を持っているのですが、自己破産した場合には、この銀行の預金口座は凍結され、使えなくなってしまうのでしょうか。
A.その銀行から借り入れをしていない限り預金口座が凍結されることはありません。
(1)凍結されない理由
銀行は、預金者が破産したという理由でその人が持っている預金口座を凍結することはありません。
ただし、次に述べるとおり、銀行がその預金者に対して、貸付を行っていた場合は別です。
(2)預金口座が凍結される場合
あなたが、自己破産をしようとした場合、弁護士はあなたから聞き取った借入先(つまり債権者)に対して、
「弁護士が付きましたよ。今後は本人にお金の請求をしないでください。連絡はすべて弁護士を通して行ってください。」
といった内容の通知(これを「受任通知」といいます。)を送付します。
仮に、この借入先の中に、あなたが預金口座を持っている銀行があったとします。たとえば、融資を受けている、カードローンがある、といったように借り入れのある銀行に預金口座をもっていたような場合です。
この場合は、この銀行の預金口座は、借り入れしていたお金と預金残高とを差し引きされたうえ(預金残高が強制的に借入金の返済に充てられてしまいます。これを「相殺」といいます)、凍結されてしまいます。
他方で、借入のない銀行の預金口座については凍結されることはありません。
(3)凍結されるとどうなるか
預金口座が凍結されると、銀行は、受任通知が届いた段階での預金残高と銀行があなたに対して有している債権とを相殺してしまいますので、預金自体がなくなってしまいます。また、預金口座が凍結されているということは、預金自体を引き出すことができないということですので、たとえば凍結された預金口座を給料の振込先に指定していた場合には、相殺後に入った給料(銀行による相殺後に振り込まれた給料については、その後にさらに相殺され、なくなるということはありません)も引き出せなくなってしまいます。そうなると、その後の生活や破産手続に大きな支障をきたすことになりかねません。
したがって、自己破産をする場合には弁護士が受任通知を発送する前に、借入をしている銀行の預金口座に残っている残高はすべて引き出しておく、給料等の振込先として指定している場合には、振込先を借入れのない別の銀行の預金口座に変更しておくといった措置を講じておくことが大事です。
なお、凍結された口座に給料が誤って振り込まれてしまった場合、あきらめずに、弁護士にご依頼いただければ、返還の交渉もさせていただきます。