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個人再生で,自宅に住んでいない場合は自宅を残せないのでしょうか。
個人再生で,自宅に住んでいない場合は自宅を残せないのでしょうか。
Q.自宅が持ち家なので、個人再生を検討しているのですが、個人再生で自宅を残したい場合には、自宅に居住していなければならないと聞きました。
私の自宅は大阪市内にあり、私自身は、現在、奈良市で単身赴任をしており、大阪市内の自宅には妻と子どもが住んでおります。このような場合には自宅は残すことができないのでしょうか。
A.大阪市内のご自宅を残すことは可能です。
(1)自宅を残すためには、原則として実際に居住していることが必要です。
個人再生手続を利用してご自宅を残される場合(住宅資金特別条項を付けて個人再生の申立を行う場合)、原則としてご自宅が「住居」であること、すなわち、ご自身が実際にそこにお住まいになられていることが必要です。
そもそも、個人再生手続を利用することで他の借金は基本的に5分の1に減額されるのにもかかわらず、住宅ローンについては全額支払った上、自宅が残すことができるとされているのは、「生活の基盤となる住宅がなくなってしまえば、経済的再生が困難になってしまう」というのが理由であり、将来の経済的な再生が十分に図れるように、住宅を残すことができる制度が採用されているのです。
したがって、ご自身がお住まいになられていない住宅にあっては、生活の基盤となっているとはいえないため、個人再生に際して住宅資金特別条項を付すことができないというのが原則になっているのです。
(2)ただし、例外的に自宅で生活をしていなくても自宅が残せる場合があります。
もっとも、単身赴任をされており、ご自宅で生活されているご家族とは離れて生活されているような場合で、将来的には自宅に戻り、今後はそのご自宅に住むことが明らかなのであれば、住宅資金特別条項を付けることは可能です。
独身ではあるが、転勤により一時的にご自宅を離れているといった場合も同様です。これは、現在は自宅に居住をしていないが、将来的には自宅に居住するという点において、自宅が生活の基盤であるということに変わりはないといえるため、住宅資金特別条項を付けることができるのです。
他方で、離婚により住宅ローンを負担していない元妻(元夫)や子どもだけが住宅に住み続けているような場合には、再生手続を利用する人が今後その住宅に戻り、居住するという可能性が低いことから、住宅資金特別条項を付すことはできない、すなわち、住宅を残すことができないということになります。その住宅が将来的にも生活の基盤とはならないためです。